お金を振込む時の注意点

「現金その場かぎり」は銀行の取引における鉄則事項です。入社してすぐに銀行員は最重要事項として教えを受けます。人からお金を預けていただき管理するのが銀行の仕事です。お客様が窓口に現金を持ってきていただいたら、その場で相互確認をします。お客様の目の前で一緒に枚数を数えて、その後、機械に入金するというのが大切な一連の流れとなります。
その場で確認するべきは現金だけではありません。お客様から預かるものすべてです。印鑑、通帳、記入された書類もそれにあたります。一つ、お客様の認識が浅い事項として挙げられるのが、振込です。振込には振込先を記入していただく必要があります。
この振込先をあいまいなまま記入される方が多く見受けられます。そして、振込先相違が発覚した場合には、組戻しとしてお金を戻す作業が必然的に発生するのですが、これにはお金がかかることを、ご存じない方が非常に多いです。振込は、現金を入金したり出金する作業と大きく異なる点として、銀行側は振込先を照会することができない、という点です。個人情報の観点から、振込先銀行が存在しているかどうかまでしか検索できません。よって、お客様が記入した口座番号が存在しているかはわからないのです。冒頭に述べた「相互確認」はできないに等しいのです。振込用紙を記入する際には、きちんと自分自身で確認を行い、間違いのないように気を付けましょう。電話一本で振込先を変更することは不可能です。再度記入して、組戻し手続きと再振込みにかかる費用が発生することをお忘れのないようお気を付けください。